茶道をしていると、封筒にお金を入れて渡すことがしばしばあります。
それはお茶事の時のお礼だったり、毎月のお稽古の月謝だったり。
大抵のお稽古ごとでは(例えばピアノや書道など)、先生が月謝袋を用意してくれていると思いますが、茶道では、月謝袋は自分で用意するのが通例となっています。
ここでは毎月の月謝袋の用意と、お中元・お歳暮などのご挨拶での決まり事などをお伝えしていきたいと思います。
月謝袋の種類
茶道で使う月謝袋ですが、真っ白の袋か、熨斗のついた少しかわいいものを使ったりします。
(ちなみに正式な茶事のときに使うのは真っ白のほうです。)
封筒によっては「御礼」など印刷されているものもありますが、何も書いていないものを使っています。
そして茶道では月謝とは言わず、「御礼」といいます。
それでも印刷されていないものを使うのは、やはり自分で書いたほうが気持ちが伝わるからでしょうか。
うちの社中では、手書きで行っています。
それでは、次に書き方を見ていきましょう!
月謝袋の表書きと裏書
表書き
表には上のほうに「御礼」、下に自分の名前を書きます。
ボールペンではなく、できたら小筆で書きましょう。
筆ペンでもいいですが、やっぱり小筆のほうが味わいがありますよね。
へたくそでもいいから、小筆で書くほうが気持ちも伝わりますよ。
決まり事などはないですが、京都の宗匠などのもとでお稽古する方たちは、筆があたりまえとなっています。
きちんとした先生なら、教え子が恥をかかないようそのことも教えてくださいます。
でも、少しお茶を楽しんでみたいっていう方で、筆とかは苦手という方もいるかと思います。
社中によって雰囲気も違うので、これは先生に尋ねたり、先輩がどうしているのか見せていただいたりするのがいいのかなと思いますよ。
私はへたくそですがなんとか筆で書いています。
書くことが増えるとだんだんと上手になってきますよ。
裏書
それでは、次に裏側です。
毎月同じ袋を使うので、1月から12月まで書いておきます。
受け取られたら、先生がその横にしるしをされます。
月謝(御礼)の金額ですが、うちでは炭代として毎月上乗せではなく、3か月に一度まとめて数千円上乗せとなっています。
なので、その月に〇の印を書くようにしています。
これは社中によって違かと思います。
宗匠と呼ばれる先生のお稽古では、毎月新しい封筒に包んでお渡しすることがほとんどです。
お中元・お歳暮 熨斗袋の表書きと裏書
表書き
熨斗袋は祝い袋と同じ蝶結びのものを使います。
金額にふさわしいタイプの熨斗袋を用いましょう。
お中元、お歳暮も、茶道では「ご挨拶」という言葉を使います。
これも、絶対にということはないと思いますが、私の社中ではこのような書き方で教わりました。
ご挨拶と書いたほうが、なんか丁寧な印象になりますよね?
私はこの雰囲気が好きです。
裏書
裏には糊付けの位置に、〇と印をします。
金額などは、お札を包む懐紙や白い中封筒に記入しておきます。
熨斗袋に入れるお札の向きは?
実はお札の入れ方にも決まり事があります。
茶道では、お札の顔が封筒の下になるように入れます。
ちなみに、普通のお祝いなどで包むときはお札が上になるように入れるのが通例です。
どうして顔が下になるように入れるのか・・・ですが、これはまだ調査中です。
通常、ご祝儀だと、お札の顔が見えるように入れるのに対し、ご供養では全く逆に入れます。
お札の裏側(顔のない部分)を表になるように入れて、さらに裏面ですが、顔が下にくるように入れます。
顔が下向きだと数字がすぐに見えるので確認しやすいというのもありますが、なんとなくですが、それ以上に「御祝儀」の意味合いが強い顔を上にする入れ方は、御礼としていただくにはなんだか華やかすぎるのかもしれませんね。
先生からのお話だと、お札の顔がすぐに見えないほうが、品があるでしょ?とのこと。
茶道のように、おもてなしという心での作法ですから、そういう感性から生み出された決まり事なのかもしれませんね。
それから、大事なのが、新札を使うということです。
ぼろぼろのお札では気持ちが伝わらないですよね。
もちろんぼろぼろでもお札はお札なのですが、相手に渡すときにきれいなものをという心遣いはとても大切なことだと思います。
これは、通常のお祝いなどでも同じですね。
現在、キャッスレスが進みなかなか新札を手にする人も少なくなっているのではないのかもしれまん。
最近、日常ではほとんど現金は使わないので、今後どうなっていくのか・・?と思いますが、相手を気遣うという気持ちだけはしっかりと持っておきたいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最初は封筒に小筆で文字を書いたり、新札を用意したりと不慣れなことがあり戸惑うかもしれませんが、慣れてしまうとなんでもないことです。
ほんの少しの気配りができると、その他のところでもそれが生きてきます。
茶道の作法以外でも、日常でのちょっとした気配りができるようになると、また違う景色が見えてきます。
茶室に入るまでもたくさんの学びがあるので、毎回お稽古のたびに身が引き締まる思いです。
ほんの少しの御礼でも、小筆で文字を書いたり、御礼の品に添えて渡したりなど、お世話になった人に自然とふるまえたら素敵ですよね。
もし、そういうタイミングがありましたら、是非チャレンジしてみてください。
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