【茶人の心得】「なんとなく」を卒業!利休さんに学ぶ、美しい所作の秘密

利休百種 意味

お待たせしました!「利休百首」シリーズの第2弾をお届けします。

前回はいうなれば「マインドセット編」。
今回はいよいよ実践編となります。
茶の湯の具体的な動作から、日常の立ち居振る舞いにも通じる「美しさの秘訣」を紐解いていきましょう。
一見、細かすぎるルールに見える動作の中に、実は相手を思いやる究極のメソッドが隠されているんです。

【利休百首 第6首】上達するための「三要素」

上手には すきと器用と 功積むと この三つそろわぬ人はなきなり

【意味】
茶の湯の達人と呼ばれる人には、必ず共通する3つの条件が備わっている、という歌です。

すき(数寄): 茶の湯を心から愛し、熱中する情熱のこと。
器用: 手先の器用さだけでなく、物事のコツを掴むセンスや柔軟さ。
功積む(こうつむ): 長い時間をかけて地道に稽古を積み重ねること。

どれか一つが欠けても「名人」にはなれません。逆に言えば、この3つを意識して励めば、誰でも上達できるという励ましの歌でもあります。

【利休百首 第7首】指3本が「エレガンス」を作る

茶をのまんとて 茶わんをば 取りあげて 指を三本 底にそえよと

【意味】
親指と人差し指で縁を挟み、残りの3本の指をスッと底(高台)に添えなさい

実はこれ、やってみると分かりますが、茶碗が驚くほど安定し、かつ指先が綺麗に見えるんです。
「なんとなく」持つのではなく、指一本一本に意識を配る。その丁寧さが、周囲に「この人は丁寧な生活をしているな」という印象を与えます。

【利休百首 第8首】「うやうやしさ」を形にする

茶わんをば ひだり手のひらに のせまして 右の手を添え うやうやしくせよ

【意味】
左手に乗せて、右手を添える。たったそれだけのことですが、そこに「うやうやしく(=相手や道具を心から敬う)」という気持ちが乗っているかが重要です。

現代なら、スマホや名刺を受け取る時、あるいは大切な書類を渡す時。片手で済ませず、そっともう一方の手を添える。その一瞬の「間」と「添え手」が、あなたの品格を物語ります。

【利休百首 第9首】柄杓(ひしゃく)の扱い:湯と水の使い分け

柄杓(ひしゃく)にて 湯をくむときは 肱(ひじ)をはり 水をくむとき 肱を引くべし

【意味】
釜の「熱い湯」を汲むときと、水指の「冷たい水」を汲むときでは、肘(ひじ)の使い方が違うことを説いています。

湯を汲むとき: 肘を外側に張り出すようにします。これは、熱い湯から立ち上がる湯気で手を火傷しないように、また力強く凛とした構えに見せるためです。
水を汲むとき: 肘を少し体に引き寄せるようにします。水は静かで清涼なイメージがあるため、肘を張らずにコンパクトに扱うことで、見た目にも涼やかで落ち着いた印象を与えます。

動作に「温度感」や「美学」を宿らせるための具体的なアドバイスです。

【利休百種 第10首】 茶碗に注ぐ時の細かな作法

湯を汲みて 茶碗に入れる その時は ひしゃくの口を 下に下げよと

【意味】
汲み上げたお湯を茶碗に注ぐ際の、柄杓の角度についての教えです。

お湯を注ぐ際、柄杓の口(注ぎ口)をしっかり下に向けるように意識します。

実用面: 最後の一滴までしっかり注ぎ切るため。
美学面: 柄杓を水平のままダラダラと注ぐのは見た目が美しくありません。潔く「口を下げる」ことで、動作にメリハリがつき、点前(てまえ)が引き締まって見えます。

まとめ

いかがでしたか?
一見細かすぎるルールに見えますが、すべては「お道具を大切にし、美しく見せる」ための合理的な工夫なんです。
次のお稽古では、ぜひ「指3本」と「肘の角度」を意識してみてくださいね。それだけで、あなたの空気感がガラリと変わるはずですよ!
次回は、さらに「柄杓の扱い」を深掘りします。お楽しみに!

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