芍薬の堂々とした美しい花は、茶席に華やかさと格調高さをもたらします。
庭では地植えにすると、毎年花を楽しむこともできる、比較的育てやすい草花です。
和ものとしては、山芍薬、紅花山芍薬などがありますが、茶花としては洋ものも使われます。
ちなみに、牡丹との違いですが、牡丹は低木に対し芍薬は草花になります。
冬はすべて枯れて、地上部分は何もなくなります。
茶花として使う季節
芍薬の開花時期は初夏(5月下旬~6月頃)です。この時期の茶席を飾る花として用いられます。
蕾、咲き始め、満開では趣が異なるため、茶席の雰囲気に合わせて選びます。
基本は蕾を使います。
花の選び方
茶席では、開ききった豪華な花よりも、蕾や少し蕾がほころんできた時期の花が好まれる傾向があります。
芍薬はとても良い香りがしますが、茶席にはふさわしくないので、芍薬の場合はやはり満開のものは避けたほうが良いと思います。
葉の緑が美しく、全体のバランスが良いものを選びましょう。
生け方
芍薬一輪を生けるだけでも、その存在感は際立ちます。
他の季節の花や葉物と組み合わせて生ける場合は、芍薬の豪華さを引き立てるように、控えめな草花を選ぶと良いでしょう。
花器は、陶器や磁器など、落ち着いた雰囲気のものが合います。
注意点
芍薬は水揚げがあまり良くないため、深水にしたり、水切りを丁寧に行うなどの工夫が必要です。
豪華すぎる印象にならないよう、高さを抑えたり、枝ぶりを整えたりすることが大切です。
芍薬の育て方
芍薬は、ボタン科の多年草で、美しい大輪の花を咲かせます。比較的丈夫ですが、いくつかのポイントを押さえることで、より長く楽しむことができます。
日当たり
日当たりの良い場所を好みます。午前中は日が当たり、午後はやや日陰になるような場所が理想的です。日照不足だと花つきが悪くなります。
風通し
風通しの良い場所を選びましょう。蒸れを防ぎ、病害虫の発生を抑えます。
場所
庭植えが基本ですが、鉢植えでも育てられます。ただし、根が深く張るので、深めの鉢を選びましょう。
水やり
庭植え: 植え付け直後や乾燥が続く場合はたっぷりと水を与えますが、その後は基本的に雨水で十分です。
鉢植え: 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。開花期は特に水切れに注意しましょう。
土
水はけと水持ちの良い肥沃な土を好みます。赤玉土(中粒)5、腐葉土3、堆肥2の割合で混ぜたものなどが適しています。
地植えの場合は、植え付け前に堆肥や腐葉土を混ぜ込んで土壌改良をしましょう。
肥料
寒肥(冬): 12月~2月頃に、緩効性の有機肥料(油かすや骨粉など)を株元に施します。
追肥(春): 花後と秋に、化成肥料などを少量施すと、翌年の花つきが良くなります。
植え付け・植え替え
植え付け適期: 秋(9月下旬~11月)または春(3月~4月)です。
庭植えの場合は、株が大きくなりすぎたら株分けを兼ねて行います。鉢植えの場合は、2~3年に一度、秋に植え替えます。
植え付け、植え替えの際は、根を傷つけないように注意し、深植えにならないようにしましょう。
病害虫
アブラムシ、アザミウマ、ヨトウムシなどがつくことがあります。見つけ次第、早めに駆除しましょう。
梅雨時期など、湿度が高い時期には灰色かび病が発生することがあります。風通しを良くし、感染した部分は早めに摘み取ります。
葉水として、木酢液とニームオイルを混ぜたものや、農薬不使用もしくは優しい成分で毎日使っても良いもの最近はあります。
病気になる前、4月から対策しておくと、良いですよ。
花後
花が終わったら、花首から摘み取ります。
来年の開花のために、花後すぐに追肥を施しましょう。
葉は大切です。
日光に当て、栄養を根に蓄えられるよう、蒸れない程度に残します。
秋が深まると、だんだんと枯れこんできます。
その時期には根本から切り、冬越しです。
まとめ
芍薬は、「立てば芍薬~」と呼ばれるくらい、とても気品ある花です。
また、実はとても育てやすい花で、株分けすればどんどん増えて行きます。
咲かすコツですが、蕾の時期に、蜜が出てくるので、水で洗い流してあげてください。
蜜が取れ、花びらが開き始めます。
1輪だけで様になる茶花ですので、是非育ててみてくださいね。
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