忘れはキク科の多年草で、色は白、ピンク、青(紫)などがあります。
開花時期は4月~6月で、丈夫で育てやすいです。
小ぶりで楚々とした美しさが印象的ですね。
承久の乱で佐渡に流罪された順徳天皇が、美しい花を眺めて都を偲んだという逸話から名付けられました。
江戸時代から茶花などに用いるため栽培されてきた、日本人にとってなじみの深い草花です。
茶花として使う季節
都忘れの開花時期は春から初夏にかけて(5月~6月頃)です。この時期の茶席を飾る花として最適です。
花の選び方
基本は蕾から咲き始め、開ききっていない花を選びます。
茶席でゆっくりと開いていく様子を楽しむためです。
ですが、都忘れのような小さな草花は開いている状態で見るほうが多いです。
小さいので、開いていても、その可憐な様子は茶席を邪魔しませんね。
葉の色や形も考慮し、全体のバランスを見て選びましょう。
生け方
都忘れの持つ自然な美しさを引き出すように、野趣を生かした生け方が好まれます。
小間でしたら一輪挿しや、数輪をまとめてシンプルに生けるだけでも、その美しさが際立ちます。
他の山野草と組み合わせて生ける場合も、それぞれの花の個性を尊重し、調和のとれたように心がけましょう。
花器は、陶器や竹製など、素朴なものがよく合います。
都忘れの育て方
比較的丈夫で育てやすい植物です。
以下のポイントを押さえてあげると、美しい花を長く楽しめますよ。
日当たり
日当たりの良い場所を好みますが、真夏の直射日光は強すぎるため、半日陰になるような場所が適しています。
風通し: 風通しの良い場所を選びましょう。蒸れを防ぎ、病害虫の発生を抑える効果があります。
場所: 地植え、鉢植えどちらでも育てられます。鉢植えの場合は、水はけの良い鉢を選びましょう。
水やり
地植え
基本的には雨水で十分ですが、乾燥が続く場合はたっぷりと水を与えます。
鉢植え
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。水のやりすぎは根腐れの原因になるので注意しましょう。
土
水はけの良い肥沃な土を好みます。市販の草花用培養土に、少し腐葉土を混ぜると良いでしょう。
肥料
生育期の春と秋に、薄めた液体肥料を月に2~3回程度施します。
開花中は肥料を控えめにしましょう。
また、肥料と一緒に活力剤もお勧めです。
花が元気だと、病気にもなりにくいので、お勧めです。
植え替え・株分け
鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために1~2年に一度、植え替えを行います。
株分けの適期は5月から6月と、9月から10月です。
病害虫
比較的強いですが、アブラムシやナメクジが発生することがあります。見つけ次第、早めに駆除しましょう。
梅雨時期など、湿度が高い時期には灰色かび病に注意が必要です。風通しを良くし、感染した葉は取り除きましょう。
ナメクジなどの地面にいる害虫は専用の殺虫剤があります。
あまり自然でないものを使うのは気が引けますが、花を病気にさせない、浸食されないためには、木酢液などの予防だけでは難しいこともあります。
使用回数を守って、特に春先、秋口などに使用すると良いと思います。
花後
花が終わったら、花茎の付け根から摘み取ります。種を採取しない場合は、早めに摘むことで株の体力を温存し、来年の開花を促します。
まとめ
都忘れの花言葉は「別れ」「しばしの憩い」
佐渡に流刑された順徳天皇が、都を偲んで佐渡に咲いていた可愛い花を眺め、都への思いを忘れようと和歌を詠んだという伝説がありますから、そこからちなんだものでしょうか。
雅な花ですよね。
小さいので、添えの花としても使いやすく、持っておきたい茶花の一つです。
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