桑小卓(くわこじょく)

桑小卓 表千家

表千家の桑小卓(くわこじょく)の歴史と種類

桑小卓(くわこじょく)は、桑木地で四本柱の小棚です。

桑小卓は面白いところがたくさんあります。
天板は面を丸くとった唐戸面(からどめん)を施していて、地板は木口を矢羽の後の部分のような矢筈(やはず)に取ってあります。
また、矢を立てておく矢台よりも小さい棚ということで、矢筈棚とも言われるようですね。
このことからか、端午の節句で用いられていていたようですが、表千家では初夏の棚として扱うことがほとんどかと思います。

桑小卓は、裏千家四世臘月庵(ろうげつあん)が、床に用いるために好んだもので、上に青磁袴腰香爐、下に瓢花入を取合せたといいます。
その後、表千家七世 如心斎が点前用に用い始めたとのこと。

『茶道筌蹄』に「桑小卓 仙叟床に用る卓にこのむ、青磁ハカマコシの香炉、フクベの細口の花入を取合す、点茶棚に用るは如心斎始めなり」とあります。
最初は、飾り台として、青磁袴腰香炉を上に、下には瓢の花入を置いていたようです。
後に、茶道具の棚として表千家七代如心斎が始めました。

茶道筌蹄 表千家茶道

茶道筌蹄とは、稲垣休叟(表千家八代啐啄斎の弟子)が文化三年(1816年;江戸時代)に書いたお茶の本です。
全部で5巻+2巻の構成です。
前編の5巻はお茶の起源や茶会や茶人について、そして様々な道具について書かれてます。

後編の2巻(甲乙)は、如心斎口授と言われるもので、裏千家六代目宗安や表千家六代目覚々斎が道具をどのように扱ってきたか、またその理由を書かれています。お茶の本質について箇条書きで書かれているようです。
新書としての販売がなく、昔の本を読み下すしかないようです。

種類ですが、同じ形で木地が桐の「桐小卓」があります。
桐小卓は表千家十世 吸江斎(きゆうこうさい)のお好みです。
桐小卓 表千家

また、表千家十二世 惺斎(せいさい)好みの「一閑青漆爪紅小卓」(いっかんせいしつつまぐれこじょく)もあります。
一閑青漆爪紅小卓 表千家
裏千家と表千家、それぞれ少しずつお点前が違うそうですね。
炉にも風炉にも使えるお棚です。

桑小卓の飾り方

如心斎好桑小卓の初飾り

桑小卓 初飾り 一つ飾り 表千家
【地板】水指
【天板】薄茶器

最初はこの飾り方でお点前を始めていきます。

二飾り

桑小卓 二つ飾り 入り飾り 表千家
【地板】水指
【天板】柄杓と蓋置の入り飾り

柄杓と蓋置を入飾りにします。柄杓は天板の上部に合を3分の1のところに仰向けにのせて、柄は下部4分の1のところに斜めに飾ります。
蓋置は合の真下で節の横に飾ります。蓋置は平建水に仕組むので高さのあるものは無理で、蟹や栄螺を使われる方が多いようです。

三飾り

桑小卓 三つ飾り 表千家
【地板】水指と柄杓
【天板】薄茶器

桑小卓ならではの飾り方です。
柄杓を柱に立て掛ける、ちょっとしたコツがいる飾りつけです。

中興の祖と呼ばれる如心斎のアイデアも素晴らしいですが、それがお点前として残っていること。
それだけ、考え抜かれていて、後世につながるものだったということでしょう。
アイデアだけが奇抜では、こうはならないはずです。
建水を飾る場合と飾らない場合があります。

総飾り

桑小卓 総飾り 表千家
【地板】水指と柄杓
【天板】薄茶器と茶碗

お茶碗も、建水も全部飾ります。
建水を飾る場合と飾らない場合があります。

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