映画「日日是好日」を見てきました!
茶道を学んでいる私目線での感想と見どころをお伝えしていきます。
作者やキャストなどは前記事で書いていますので、
もしご覧でない方はこちらから読んでみてくださいね(^-^)
>>> 樹木希林さん遺作 表千家茶道の映画「日日是好日」出演者やその役どころは?
さて、そんな森下さんの映画、見どころはどんなところでしょうか?
実際私が見て感じたことをお話ししますね(^-^)
人生の迷い、悩みにそっと寄り添い気づかせてくれる映画「日日是好日」の見どころ
私は学生の頃から、
「何か自分の夢・やりたいことを見つけて、それを実現したい!」
「たいしたことでなくてもいいから、社会に役立つ人間になりたい!」
と、思いながら過ごしてきました。
でも、仕事や家事で忙しくしているのを理由に、年月だけが過ぎていきました。
子供が生まれ、育っていくうちに、その焦燥感はピークになりました。
「母親として、私は何も知らない人間のような気がする」
そして、結婚を機にいったん休憩していた茶道を習い始めました。
結婚してから近所にたまたま教室があり、それが今の先生との出会いです。
この映画の主人公の気持ち、思いが 少し似ている気がして、なんだか、嬉しくなり、少し安心したり・・・
そんな映画の見どころを私視点からですが、お伝えしていきますね!
見どころその1. 表千家茶道のお点前とその意味
茶道には細かい所作があります。
茶室に入るときは左足から。
畳半畳を3歩で歩き、茶室を出るときは、一度座った場合は左足からでます。
お茶碗は、お客様に出すときは正面をお客様に向けます。
回す方向は、左回り、2回で回します。
映画では所作の描写もとてもよくされていて、茶道を始めてみる人も、なんとなく雰囲気がわかるかと思います。
また、すでに茶道をしている人は、まるで自分も一緒にお稽古しているかのような気持ちになるでしょう。
茶道のお稽古を通じて疑問に思ってたこと、失敗したことなど、思わず、
それ、あるよね~!!
と言ってしまいたくなるシーン、
いうなれば、「茶道あるある」が多々あって面白かったですよ~(^-^)
茶道には帛紗の扱い方、お茶の飲み方など、本当にたくさんの決まり事があるので私も習い始めたころ、
「それはどうしてするのですか?」とよく先生に聞いていました。
「意味なんてわからなくていいの。先に形を作り、その中に心が入るのよ」
と武田先生が言います。
意味を考えることは悪いことではないけど、思ったことすぐに聞くのではなく、一旦持ち帰り、
次からのお稽古でその答えを探して行くということも、 なんとなくですが、茶道を通じて学びました。
この空気感も好きですね。
そして、数年後にわかった時に、とても心が晴れやかな気持ちになります。
作法だけでなく、人生観なども含めて、こういう瞬間が茶道を通じてあるんですよね。
だから、茶道のお稽古はやめられません!(笑)
この映画を見て、改めて、そう感じることができました。
見どころその2. 表千家の茶道具がたくさん登場
「日日是好日」の映画では、主人公典子の先生の使っていた本物のお道具が使われています!
それも、見ていて楽しいところですよね。
茶道は、お茶やお菓子、そして茶碗、お茶入れ、お花、花入れ、掛け軸など楽しむところが多く、
茶道は総合芸術
といわてるのも納得です。
この映画では、軸やお花、棗や茶碗など、四季を通じてのその誂えが映し出され、 まるで、お茶時に何席も御呼ばれしたような、そんな気持ちになります(^-^)
典子が大寄せの茶会へ先生と一緒に行き、茶碗が回ってきて拝見するところで、
「リスみたいに軽くて温かい」と感激する場面があります。
これには、私もはっとさせられました。
茶碗には形や種類も色々あるんですが、手で包みこんだと気に、温かさと手触りで生きているような感じがしたのでしょうか?
茶碗をリスみたいという典子の感性に、私も今後はもっと気持ちを研ぎ澄まして、茶碗を包み込んで拝見させてもらおうと思いました。
茶碗だけではありません。
掛軸や和菓子に季節があったり、エピソードがあったりと、道具ひとつひとつに物語があり、メッセージがあります。
これを考えて、亭主(もてなす側)が用意し、お客はそれを見て亭主の気持ちを汲み取ります。
その時に交わす言葉が、なんとも素晴らしく、すがすがしく、温かい時間となって、 茶席の空気も、その時だけの特別なものとなるんですよ。
一期一会という言葉がありますが、まさに、それそのものですね。
見どころその3. 「人生にはいつもそばに茶道があった」お茶は特別なことではないという人生観
茶道を習いながら、典子の人生にも紆余曲折がありました。
やりたいことが見つからずあせったり、就職に失敗したり、
結婚が破断になったり、また恋愛して、幸せだと思っていたら、最愛の父が急死したり・・・
いろんな出来事が起こりましたが、常に寄り添っていたのは茶道でした。
6月の梅雨と秋の雨では、雨音が違うこと、
掛け軸の文字や絵から音や景色を思い浮かべ、読むのではなく絵のように見ること、
お湯はとろとろ、水はキラキラと、流れる音が違うことにも気づくようになります。
ほんと、そうなんですよね~!
茶道をしていると、五感が研ぎ澄まされてゆく感じがします。⁎ˇ◡ˇ⁎
ただただ、お点前やお道具を見て、美味しいお菓子をいただき、お茶をいただく。
そのことだけに集中することで、余計なことを考えずにすむので、 リラクゼーションにもなるし、忙しい毎日だけだと気づかなかったことに気づかせてくれるんです。
茶道を学ぶことで、典子の人生の世界が広がります。
感性が磨かれていくという感じでしょうか。
彼女の人生は何もかもがうまくいったわけではないけれど、 どんなときでも武田先生はいつも同じように典子を迎えてくれたように、
私も茶道教室に7年ほど通っていますが、先生や社中の人たちと会い、四季を過ごすたび、 ここだけは変わらない、居心地がいい場所という思いをしてきました。
もちろん、失敗したり学びながらですが・・・。
武田先生の言葉があります。
「最近思うんですよ。こうして毎年、同じことができることが幸せなんだって」。
実はこれ、私の先生もおっしゃっている言葉なんです!
なので、映画を見たとき、余計に親近感を持って、安心して見ていれる感じがしました。
人生何が起こるかわからないですよね。
いいことも悪いことも・・・
特に悲劇は突然訪れるものです。
だからこそ、同じことを続けられることって、とても幸せなことなんだなぁと、 茶道をしていて、人生を歩んできて、最近私もその境地に至ることができてきました。
まとめ
「日日是好日」の意味は、後日、また禅語として掛け軸でご紹介していきたいと思っています。
映画の見どころですが、私が茶道のお稽古をしていて、感じてることと同じでした。
それは、武田先生の言う
「こうして毎年、同じことができることが幸せ」
冒頭と、最後に典子が言う
「世の中にはすぐわかるものと、すぐわからないもの二種類がある。
すぐわからないものは長い時間をかけて少しづつ気づいてわかってくる。」
茶道の素晴らしさや難しさをを描きながら、 人生のバイブルのような・・・
そんな素敵なお話しだと感じました。
茶道の細かい所作や決まり事などは、もしかすると最初は戸惑い、窮屈に感じるかもしれません。
でも、それを通じて感じる自由、つまり・・・ 「ここにいるだけでよい」という心の安息。
私の先生がおっしゃる、
「茶道は難しく考えずに、細くてもいいから、やめずに続けることがこつよ」
この言葉に私が安心を得たように、
この映画「日日是好日」にも、同じような安心を得たられたように感じます。
そして、さらに季節を五感で味わう喜びと、「いまを生きている」という感覚。
雨の日も風の日も、その日を心から楽しむという感覚に、いっそう、喜びを持てそうな、そんな映画だと思いました。
是非、あなたもご覧になってくださいね♪
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